本日の症例より。

症例:50代、女性

既往歴:特記すべきことなし

現病歴:10年以上前から乾癬にてステロイド外用薬、ビタミンD3外用薬

を処方されていたが、ここ2,3年ほど徐々に増悪してきたため本日当院

初診。光線療法を希望している。

現症:頭皮には落屑が目立ち、フケを気にしている。体幹部・四肢に

あまり痒みのない母指頭大の境界明瞭で鱗屑を多く付着する紅斑が多発。

爪甲剥離が多指に認められる。

 

頭皮の症状・爪甲変形は、関節症状のリスクファクターであることが

知られています。

ここで、まず手指の腫れなどがないかを見てみましたが、特に異常所見

はありませんでした。しかし関節症状をターゲットにした問診にて、

「そういえば右3指の痛みが最近ある」とのことでしたので、ドプラー

エコーをとったところ・・・

 

 

 

 

すみません、白黒写真しかプリントアウトできないのですが、

右3指PIP関節部分に血流増加を認めました。

つまり乾癬性関節炎の初期ということです。

 

そこで治療は?

 

 

 

 

 

A.オテズラ内服+光線療法(全身NBUVB)

 

 

 

このような初期の軽症の関節症状+頭皮症状+爪症状は、まさにオテズラの

絶好の適応です。(頭皮にはコムクロシャンプーも開始)しかも光線療法を

併用できる点もリウマトレックスに比べるとアドバンテージです。(オテ

ズラはリウマトレックスのような定期的採血も必要ありません。ただし、

本症例は、初診でもあり、メタボ評価のために、高脂血症や糖尿病などの

採血を実施し、関節症状の評価のために、CRPと抗CCP抗体も測定して

あります。)