今日は研修医向け症例。
症例:30代、男性
尋常性乾癬に対して以前より当院でドボベット軟膏外用および
全身NBUVB療法中。
再診時に、ここ最近背中の治りが悪い、と相談された。
現症:写真に示すように上背部に、母指頭大程度の、掻痒のない
脱色素斑が多発・散在している。個疹に浸潤はあまり触知せず
わずかに鱗屑を付着する。なお、肘頭・膝蓋には小指頭大の
乾癬局面が点在していた。
さて、ここですべきことは?4択問題です。
A1. 外用薬を強化する(例:ドボベット→デルモベートに)
A2. 光線のジュール数を上げる
A3. 光線の通院頻度を上げる
A4. その他
答えは
4
です。
乾癬の皮疹が改善してくると脱色素斑様になることがあるので
すが、むしろ改善していないということから、顕微鏡検査を
実施したところ、多数のマラセチアを確認し、癜風と診断
しました。乾癬の治療経過中に癜風(夏に好発)を併発した、
ということです。
通常の経過では考えにくい臨床像の時には鏡検をする、という
皮膚科のお約束の様な症例でした。