先日の症例より。

60代男性の、右頬部内側(頬瞼溝部)の基底細胞癌(BCC)です。

生検にて確定診断しました。

 

 

術前のエコー↓

 

 

BCCで特徴的とされる砂粒状陰影が多発しています。

深達度は真皮深層からぎりぎり皮下組織に飛び出るか、

くらいです。

3mmマージンでデザインし、径15mm大の欠損となります。

VY皮弁か、malar flapか悩みましたが、今回はmalar flapを選択。

 

 

 

皮下組織と眼輪筋を少し含めてBCC切除後↓

 

 

 

頬骨骨膜とflapのtacking sutureを3か所併用し、閉創。

術後1週間目抜糸時↓

flapは100%生着しており、もちろん、下眼瞼の外反も

ありません。

病理組織学的にも、側方断端・深部断端とも陰性でした。

 

 

 

malar flapはきちんとesthetic unitに沿ってデザインすれば、

長期的には非常にきれいな傷跡となります。

エコーが有効であった、一期的再建の症例でした。