今日は、知っていれば簡単だけど、知らないと診断困難な
症例。
症例:50代、女性
現病歴:左もみあげ部位に、ニキビ様の結節が出現し、
当院受診。「せつ」の診断で抗菌剤内服を開始するも
改善なく、切開・排膿処置を実施。いったん改善傾向
であったが、症状がすぐに再燃したため再診。
細菌培養検査:MSSA 2+ で、処方していた内服抗菌剤に
対する感受性良好。
現症:写真に示す。
さて、ここでするべき検査は?
4択問題です。
1.抗酸菌培養・真菌培養
2.生検(病理組織検査)
3.MRI
4.その他
正解は・・・
4 超音波検査
です。
フェイスリフトの切開線もみられる+この部位からスレッドを
挿入or出口とする手技があることから、エコーを撮影すると、
あたりでした。スレッドが見えますね。
ここで問診すると、時期は忘れたがスレッド(詳細不明)を
入れたことはあるとのことでした。
で、局所麻酔下に結節を切除し、剥離して・・・
ハイ、とれました♪
おそらく、スレッドの知識がないと、選択肢の1,2にいく
可能性が大です。
この臨床像だけで初診時からエコーをとることはなかなか
ハードルが高いなあ、と改めて学習した症例でした。
また、こういう症例を経験するたびに、スレッドは、非吸収糸
ではなく吸収糸を使うべきだとつくづく思います。(当院で
使用しているスレッドは、PCL、PDOであり、吸収糸です。)