今日は啓蒙的な症例。
首のほくろですが、周辺に脱色素斑(白抜け)がありますね。
さて、これは取るべきなのか、取らなくてもいいものか、どちらでしょう?
これは、Sutton母斑といって、ほくろの細胞(メラノサイト)に対して
自己免疫反応を起こして、周辺の色素が抜けてしまっている状態です。
ここだけで済めばいいのですが、この反応が全身で起こると、尋常性白斑
となってしまいます。そのため、尋常性白斑への移行を予防するために、
切除すべき、ということとなります。切除する際には、脱色素斑部をあえて
取る必要はなく、ほくろの部分のみ切除すれば十分です。
一方、他院で紫外線治療するも変化がなかった尋常性白斑において、
Sutton母斑を発見して切除したところ、紫外線治療にて色素再生が促進
された症例の経験もあります。