今日もDiagnosis at a glance(見た瞬間診断)で。

症例:3歳、女児

現病歴:5日前に山に行った後から、下肢に皮疹が出現し増数してきた。

虫刺されかと思い、当院初診。

現症:両下腿から足背にかけて、自覚症状を伴わない斑状の紫紅色斑

および軽度隆起する点状の紫紅色斑を多数認める。硝子圧で色調は消退

しない。全身状態は極めて良好。

 

 

 

さて診断は?

 

 

A. IgA血管炎

(旧:アナフィラクトイド紫斑、シェーンライン・ヘノッホ紫斑病)

 

 

(現症に紫斑と書いてしまうと簡単になり過ぎるので紫紅色斑と書いたのは

ご愛敬。)

関節痛や腹痛はありませんでしたが、腎症の精査が必要である疾患であり、

総合病院小児科を紹介しました。症状によっては入院加療が必要となる疾患

です。決してまれな疾患ではなく、年間数例は受診します。

教科書的には、小児でこのような典型的な症状であれば皮膚生検は必要ない

との記載もあります。(もちろん生検するなら、それに越したことはないと

思いますが。)