今日は難問です。
症例:50代、女性
現病歴:4年来の右大腿の「できもの」が気になるため当院初診。
現症:右大腿伸側やや外側に、写真に示すような段差を認める。
触診上、腫瘤は触知できない。エコー及びMRIでも腫瘤病変は
存在しない。
さて診断は?
A. semicircular lipoatrophy
本疾患は、主に女性の大体に生じる横行する陥凹であり、軽微な外傷
を持続的に繰り返す(ズボンや補正下着による締め付け、洗面台やシンク
等への寄りかかり等)ことにより生じます。自験例では誘因は不明でしたが
誘因を除去することにより軽快する疾患のため、生活面で圧迫される誘因を
気にしてみるように指導しました。
実はこの病気、つい2週間くらい前に読んだ医学誌↓
に掲載されており、そのため、容易に診断に至ることができました。
この本を読むまでは知らない疾患でした。
日々の勉強が生きた1例でした。