今日は教科書的典型例。
症例:20代、女性
既往歴:大豆アレルギー(以前豆乳を飲んだ後アナフィラキシー歴あり。
当院の精査でGlym4 陽性、大豆プリックテスト陽性。)
現病歴:数日前にカレーを食べた後に膨疹・腹痛を生じた。また別の日に
カレーコロッケを食べた後に同様の症状を生じた。カレーにもカレーコロッケ
にも大豆は入っていなかった。精査希望にて当院受診。
さて、診断は?
A. スパイスアレルギー
スパイスアレルギーは、特に、クミン・コリアンダーなどを代表とする
セリ科のスパイスが有名です。花粉と交差反応することも知られており
ヨモギ-セロリ-ニンジン-スパイス症候群が有名ですが、シラカンバや
ハンノキとの交差反応も知られています。
自験例では、RASTが、ヨモギ1、シラカンバ4、ハンノキ4、セロリ2、
ニンジン2、パセリ2でしたので、シラカンバ・ハンノキとの交差反応
によるスパイスアレルギーと診断しました。なお、シラカンバ・ハンノキ
と大豆の交差反応も有名ですので、この患者さんは今後も、同花粉と
交差反応する食物のアレルギーに注意が必要と考えられます。