今日は教訓的な症例。

症例:50代、男性

現病歴:10年以上前から尋常性乾癬と診断されステロイド外用薬・

ビタミンD3外用薬などで治療中。左3指に関節症状が出現してきた

ため当院初診。

現症:皮疹は典型的な尋常性乾癬でBSA>10。多数指に爪乾癬もあり。

左3指DIP関節が腫脹・屈曲し、橈側に偏位していて、時々同部が痛む。

 

爪乾癬を併発しているDIP関節の疼痛・変形から乾癬性関節炎をまずは

考える必要があります。(その場合、生物学的製剤による治療が必要

となるため。)

関節エコーを撮影してみました。

 

 

骨棘形成(+)、付着部炎(-)、滑膜炎(-)

ですね。

あれ?つまりは、変形性関節症?

念のため総合病院リウマチ内科に紹介しコンサルしましたが、やはり

変形性関節症の診断となりました。

尋常性乾癬+爪乾癬+関節症状、イコール、乾癬性関節炎とはならない、

という教訓的な症例と思います。

本症例については、皮疹の面積・爪乾癬の存在から生物学的製剤による

治療も候補ではあるが、現段階では必須ではない、という判断に至ります。