よく患者さんから聞かれる質問の一つ。

顔のイボの治療はどうしたらいいの?

(※ここでは、イボを、脂漏性角化症(老人性疣贅)とします。)

ちなみにイボはシミ(老人性色素斑)がベースにあり、それが隆起

してきてできます。

イボの治療には、レーザー治療、液体窒素療法があります。

(なお、CM等で広告されているヨクイニンは、脂漏性角化症には

全く効果はありませんのでご注意を!

質問に対する僕の答えは、

最終的に色まで確実に消したいならレーザー治療、盛り上がりさえ

なくなればいいのであればどちらでもよい

です。

液体窒素のメリットは

・保険診療であり安価・簡便

デメリットは

・通常複数回の治療が必要なため通院回数がレーザーと比べて多い

です。

レーザー治療(当院ではエルビウムYAGレーザーを使用)のメリットは

・通常1回で取れる

デメリットは

・自由診療であり、保険診療に比べて高額

・1週間程度テープを張るダウンタイムがある

です。

しかし最大の違いは、レーザー治療では色も消失するのに対し、液体窒素

ではそこが確実ではない、という点です。

レーザー治療では、病変部を蒸散させて真皮が露出した状態となります。

つまり、病変は確実に吹き飛んでいるので、この後、シミのような色が

でてきても、それは、一時的な炎症後色素沈着であり、自然治癒し、

最終的には肌色となります。

液体窒素の場合、盛り上がったところがなくなって平坦になった所に

シミのような色が残った場合、それが炎症後色素沈着なのか、ベースと

なったシミの色なのか、あるいはその両方なのかの区別がつきません。

しっかりUVケアして1年間経過を見て、残っていればシミ、という判断を

することとなります。そこで、やはり色調が気になれば、PICOレーザー治療

をする、ということになります。しかし、この方法は、液体窒素で通院する

回数が多いし、最後にPICOレーザーをするなら、最初からレーザー治療を

していればいいですよね、ということになります。

つまり、盛り上がりだけが気になるのか、色も含めて気になるのか、によって

治療を選択する必要がある、ということになります。