症例:40代、女性
現病歴:小学生頃より右下腿に黒色斑が存在したが、徐々に拡大してきた。
当院受診前に3か所の医療機関を受診し、「良性のほくろ」であり、特に
治療の必要はないといわれていたが、やはり気になるため当院初診した。
現症:右下腿伸側に3cmX3xm大で境界明瞭な不整形の黒色~褐色斑があり、
内部には7mm大の黒色結節がある。
ダーモスコピー所見を示す。(生検の糸がついてます。)
さて診断は?
A. 悪性黒色腫(表在拡大型)
ダーモスコピー所見では、非対称性であり、atypical pigment network、
irregular streaks、blue-whitish veil、とメラノーマを示唆する所見です。
(ここで議論となるのが、生検をすべきなのか、という点ですが、
30年存在していたというエピソード、当院初診前に3か所の医療機関で
良性といわれていたこと、から、あえて生検をしました。)
結節部の生検でメラノーマと確定診断に至りました。
色素性母斑が悪性黒色腫となったのか、最初から悪性黒色腫だったのか
は、判断はできません。病理組織ではmaturationのような所見がありました
が、これはSSMではよく見られる所見のようです。