本日より、

エキシマレーザー XTRAC

による紫外線治療を開始いたしました。

 

 

 

「紫外線治療」とは、あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、皮膚科の治療の中では薬物治療・外科的治療に並ぶ大きな柱の一つであり、また、他の科にはない特徴でもあります。

歴史的にはGoeckerman療法が有名ですが、現在主に行われている治療としては、PUVA療法・ナローバンドUVB療法・UVA-1療法・エキシマライト療法・エキシマレーザー・チタンサファイアレーザーがあります。

それぞれ長所・短所、適応疾患の若干の違いなどがありますが、当院では、ナローバンドUVB療法、UVA-1療法、エキシマレーザー、チタンサファイアレーザーを採用しております。すべて保険適応の治療です。

私は東大病院皮膚科の乾癬外来および病棟において豊富な紫外線治療の経験があり、乾癬・掌蹠膿疱症・白斑・円形脱毛症・難治性アトピー性皮膚炎・皮膚掻痒症・結節性痒疹・類乾癬・皮膚悪性リンパ腫などの患者さまにぜひおすすめしたい治療の一つです。

 

 

ここで、当院における紫外線治療機のご紹介。

 

・ナローバンドUVB

 

 

ナローバンドUVB療法は、1984年に開発されて以来30年超の歴史のある治療で、当初は乾癬の治療として使われてきましたが、その後、白斑・掌蹠膿疱症・円形脱毛症・難治性アトピー性皮膚炎・皮膚掻痒症・結節性痒疹・類乾癬・皮膚悪性リンパ腫など様々な疾患に対しても有効であることがわかり、現在ではPUVAにとってかわり、紫外線治療のファーストチョイスとして頻用されています。当院では全身照射型および部分照射型のナローバンドUVB治療機を2種類採用しており、これにより広範囲の病変に効率的に光線を照射することができます。 

 

 

・エキシマレーザー XTRAC

 

エキシマレーザー「XTRAC」は2021年に国内承認されたレーザーで、308nmのレーザーを照射します。基本的にはナローバンドUVB療法と適応疾患は同じですが、まだ歴史は浅いものの、特に白斑に対する有効性が高く注目されています。
エキシマライトの55万倍の輝度があり、治療効果がエキシマライトに比べてはるかに高くなっています。
ターゲット照射型で1回の照射面積も小さいため、広範囲の照射には向いていず、頭頚部などの難治の点在する白斑や、多発型の円形脱毛症や、痒疹結節などに有用性が期待できます。逆に広範囲の照射は、従来通り、ナローバンドUVBで対応します。

 

・チタンサファイアレーザー パラス

 

チタンサファイアレーザー「パラス」は2021年に国内承認されたレーザーで、311nmのレーザーを照射します。基本的にはナローバンドUVB療法と適応疾患は同じですが、まだ歴史は浅いものの、特に白斑に対する有効性が高く注目されています。
エキシマレーザーと効果は非劣性であり、当院では主に、エキシマレーザーで紅斑反応が強く出やすい場合や、エキシマレーザーで効果不十分な場合に使用します。
ターゲット照射型で1回の照射面積も小さいため、広範囲の照射には向いていず、頭頚部などの難治の点在する白斑や、多発型の円形脱毛症や、痒疹結節などに有用性が期待できます。逆に広範囲の照射は、従来通り、ナローバンドUVBで対応します。

 

 

・UVA-1

 

 

UVA-1療法は2021年から国内で承認された治療で、ナローバンドUVBやエキシマライトよりも皮膚の深層に到達できるため、掌蹠膿疱症・難治性手湿疹・痒疹・皮膚悪性リンパ腫などに特に有用です。また、強皮症の皮膚硬化にも有効性が確認されています。

 

 

 

 

皮膚科専門医で、光線療法に詳しい人ならわかってくれると思いますが、

XTRACとパラスとUVA-1をすべて所有しているというのは、相当レア、多分

国内では当院のみではないでしょうか(間違ってたらゴメンナサイ💦)

また、当院では、しみ・メラニン系のあざの治療機として、Qスイッチ・

ルビーレーザー、エンライトン(ピコレーザー)、PQX(ピコレーザー)と

3台を所有していますが、光線療法と同様に、似ているようで、実は使い

分けることこそが、プロフェッショナルとしての腕の見せ所と考えて

います。

 

 

XTRACによる治療をご希望の方は当院までご相談ください♪