今日は、当院スタッフが、知人からよく質問を受けるのでブログに掲載
してほしい、と希望した内容です。
帯状疱疹ワクチンは、50歳以上の方に適応があります。ワクチンを接種
する目的は、
・帯状疱疹の発症率を減らす
・帯状疱疹の重症化を防ぐ
・後遺症の帯状疱疹後神経痛を減らす
です。
帯状疱疹ワクチンには2種類あり、水痘ワクチン(水ぼうそうのワクチンを
そのまま帯状疱疹ワクチンとして転用)と、シングリックスという新しい
ワクチンがあります。
それぞれの特徴を書くと、
・水痘ワクチン:予防率50%くらい、持続期間8年くらい、接種は1回、
副反応少ない、比較的安価(クリニックにもよるが通常1万円しない)
・シングリックス:予防率90%くらい、持続期間10年、接種は2回、
副反応多い(頭痛・発熱・筋肉痛等)、かなり高価(クリニックにも
よるが各回約3万円前後)
となります。
発熱の副反応は、特にコロナが5類になるまでは、あらぬ疑いを招く可能性
もあるので少し嫌ですね。費用もかなりの差がありますが、予防率の差
もかなりの差があります。
一方、帯状疱疹の治療の費用ですが、まず、帯状疱疹の治療薬にも、
ジェネリックがあるもの(バラシクロビル、ファムシクロビル)と、
新薬のみのもの(アメナメビル)とがあります。最近はアメナメビルを
処方することが多いです。というのも、前者では腎機能障害や脳症
などの合併症を起こす場合がある(特に高齢者)一方で、後者では
そのリスクがほぼないことが挙げられます。1日1回内服でいい点も
アドバンテージです。弱点としては新薬のため費用が高く、3割負担で
6,000円(1週間服用)ほどかかります。さらに神経痛が長引いた場合や
固定した場合には、鎮痛薬等内服やペインクリニックでの神経ブロック
などが必要となるため、だらだらとランニングコストが発生してしまう
場合もあります。(帯状疱疹ワクチン接種が適応となる年齢においては
若年者よりも帯状疱疹後神経痛の合併が増加する。)
以上のことを参考に、帯状疱疹ワクチン接種希望の方は、ご自身で
どちらのワクチンを選択するのかご検討ください。