今日は教科書的典型例から。
症例:50代、男性
現病歴:もともと貨幣状湿疹にて当院で外用治療中。ここ数週間前から左前腕屈側に、
圧痛のある皮下腫瘤が出現してきた。ステロイド外用薬の副作用かと思い、外用薬を
中断したところ縮小してきたと、本日再診。
現症:左前腕屈側に、直径1.5cm大の、下床との可動性不良、皮表との可動性良好な
圧痛のある硬い皮下腫瘤がある。
エコーをとってみると、筋膜直上から山状にせり出す、境界明瞭で、比較的均一な
loe echoic lesionが存在。
さて診断は?
A.結節性筋膜炎
本症は、外傷をきっかけに生じることが知られており、問診上、打撲などの既往は
明らかではありませんでしたが、近傍に貨幣状湿疹が存在していたことから、
激しい掻爬に伴って生じた可能性はあります。(もちろんステロイド外用薬との
関連性はありえません。)縮小傾向にあることから、このまま自然治癒を待ち、
経過観察としました。