今日は番外編。
症例:50代、男性
現病歴:鼠径部・陰嚢部に痒みがあり、掻爬しているうちに、じくじくして痛みを伴ってきたため
当院初診。
既往歴:以前より強い排尿痛があり泌尿器科を受診したが、異常はなく原因不明と言われた。
怒りっぽくいらいら感があり、精神科で薬を処方されている。また、原因不明の重たい頭痛がある。
脳梗塞後で片麻痺がある。
真菌顕微鏡検査は陰性であり、Paget病を示唆する脱色素斑などもなく、通常の湿疹としてステロイド
外用剤を処方し、さらに、それとは別に、ある中医薬(漢方薬)を処方しました。
1週間後の再診時には湿疹は軽快しており、しかも、頭痛・排尿痛・いらいら感もかなり改善傾向
を認め、中医薬の継続を希望されました。
さて、この中医薬とは何でしょうか?
A.竜胆瀉肝湯
本症例の各種症状は肝胆湿熱で説明でき、本薬剤が著効しました。
長期投与は好ましくない薬剤ですので、経過を見ていずれは中止し、その時の症状に応じた
薬剤に変更する予定です。