こんにちは
院長の櫻井です
TVなどでも報道されているようですが、最近、やたら帯状疱疹が多いです。
帯状疱疹は、診断に迷うことはあまり多くはないのですが、
ときどき、顔の丹毒や、体幹・四肢の毛虫皮膚炎と鑑別が必要となることもあり、
そういった場合はギムザ染色でヘルペスウイルス感染細胞を確認することとなります。
(また、初回のZosteriform Herpes Simplexとの鑑別は時に非常に困難です。)
帯状疱疹の発疹自体は、何もしなくても2週間程度で自然に治癒しますが、この病気の
一番嫌なところは、神経痛が残り得るところで、特に、高齢の方、糖尿病や悪性腫瘍などの
免疫能低下のある方、治療開始が遅れた方においては、適切な治療を行っても、
重度の神経痛が残ってしまうことがあります。
神経痛に関しては、数ヶ月で消失することも多いのですが、固定して残ってしまうことも少なくなく、
現在は、リリカ、トラムセットなどすぐれた薬剤も多いのですが、それでもコントロール困難で
ペインクリニックを紹介することも、まれにあります。
したがって、帯状疱疹か?と思う症状があれば、まずはすぐに皮膚科専門医を受診して、
適切な診断・適切な治療を受けることが、最善の策と思います。
ちなみに、重度の帯状疱疹に対する私の治療方針としては、
・最重症→点滴治療目的に入院先を紹介
・重症→急性期は内服治療に三環系抗うつ薬を併用、その後、リリカ開始→効果不十分あるいは
副作用が重度ならトラムセット、それに必要に応じて三環系抗うつ薬・補助薬・局所麻酔外用剤併用
(いろいろと保険の縛りがあるんで・・・)
としています。