先日の症例より。
症例:50代、女性
現病歴:右足底のいぼにて当院初診。その際に、以前に左4指腹に傷ができ、そこが
うおのめのようになって痛みがあると相談された。
既往歴:特記すべきことなし
現症:左4指腹に確かに鶏眼様の角化局面がある。その際に指を触ったところ、どうも
硬く腫れている感じがある。(問診上は、自覚症状として指が腫れてきた感じや、指輪が
はめられなくなったなどのエピソードはないとのこと。)両手指には、10年ほど前から
境界明瞭な米粒大までの斑状毛細血管拡張が多発している。
さて診断は?
A.全身性強皮症
ダーモスコピーで後爪郭をみてみたところ、NFBは2指に認め、また不整なループ状
毛細血管拡張を多指に認めました。瞬間的に強皮症と診断しました。問診にて
Raynaud症状もあることがわかりました。
血液検査を実施したところ、本日再診時、
抗核抗体 X1280(centro)、抗セントロメア抗体陽性(なお抗Topo-1抗体陰性、
抗RNAポリメラーゼⅢ抗体陰性、抗RNP抗体陰性、抗ds-DNA抗体陰性、
抗ARS抗体陰性)
であり全身精査目的に東大病院皮膚科膠原病外来を紹介としました。