今日は、こういう症例もあるのね・・・、という問題。

症例:20代、女性

現病歴:H28年春頃より、右手第1指が化膿して近医で抗菌剤内服・外用で

改善し、しばらくすると同様の症状が再燃しては同様の治療をする、という

ことを繰り返していた。H29/6月に他院形成外科専門医を受診し、陥入爪

といわれ手術(鬼塚法?)を実施され、しばらくはいい状態であったが、

最近また症状が再燃してきたため、H30/12月に当院初診した。

現症:右1指側爪郭に紅色肉芽が存在し、周囲に軽度の発赤・圧痛

を伴う。後爪郭に、前医での手術痕(斜切開)を認める。

 

 

 

さて、どうしたものか・・・

手の陥入爪はめったにありませんが、術後しばらく経過良好であった

ことから、陥入爪の再発?と考え、まずは再手術を試みました。

ブロック麻酔後、いつもの通り、紅色肉芽切除+部分抜爪をしました。

すると、、、

あれ?

爪床に縦方向の傷が・・・

創部に鑷子を挿入すると骨を触れました。

ここでようやく、慢性骨髄炎を考え、造影MRIを撮影したところ、

 

 

骨髄炎の診断。

なお、血液検査では、

WBC 6800(Neut 60.0%),ALP 121,cCa 8.5,CRP 0.18

創部培養: CNS+

でした。 

整形外科を紹介し、Xpでも骨透亮像を認め、骨髄炎の診断となり、

後日腐骨除去の方針となりました。