今日は研修医向け出題。

症例:40代、男性

既往歴:無し

現病歴:約3年前より下腹部に始まり体幹部に自覚症状を伴わない

紅斑が多発してきたため当院初診。

現症:体幹部に、大小様々な、掻痒を伴わない、比較的境界明瞭な、

不整形~馬蹄形の鱗屑を付する紅斑が多発。

 

 

 

さて診断は?

 

A. 菌状息肉症(mycosis fungoides)(=皮膚T細胞リンパ腫の一型です)

 

本疾患を強く疑い初診当日に生検を実施し、病理組織ではリンパ球の表皮向

性・Pautrier微小膿瘍を認め、菌状息肉症の確定診断に至りました。

血液検査上、末梢血および分画に異常なく、抗HTLV-1抗体陰性、

sIL-2R・TARC・LDH・cCa正常範囲内でした。

初診時にデルモベート軟膏外用を開始し、抜糸時にはかなり皮疹は枯れてきて

いました。

総合病院皮膚科を紹介し全身精査を行い、経過によっては医療連携で当院で

光線療法をする予定となっています。