今日は、教科書的典型例から。

症例:40代、男性

現病歴:約2週間前に咽頭痛が出現し、手持ちの風邪薬を3回服用した。

その頃から皮疹が出現し悪化してきたため、薬疹を心配して当院を

初診した。

現症:写真に示す。体幹・四肢に1~2cm大程度までの、掻痒を伴わない、

鱗屑を付着する、境界明瞭で軽度隆起する浸潤性紅斑が多発している。

 

 

ダーモスコピー写真↓

 

 

 

さて診断は?

 

 

A.滴状乾癬

 

 

 

感染症を契機に発症した滴状乾癬です。ダーモスコピーではdotted vessels

が見えますね。本疾患は尋常性乾癬に移行することもあります。

患者さんに診断名を告げたところ、そういえば2~3年前に乾癬で光線治療

を何回か受けたことがあり症状がそのあとはずっとおさまっていた、という

ことでした。感染症で滴状乾癬を繰り返すタイプなのかもしれません。

ルリッド錠内服、ドボベットフォーム外用を開始し、しばらく尋常性乾癬に

移行しないか経過観察します。