今日は研修医向け症例。
症例:40代、男性
現病歴:右手の手荒れが10年来難治のため当院初診。
現症:写真に示すとおり、右手掌は角化し、掌紋に沿って鱗屑が付着している。
さて診断は?
A.手白癬
真菌顕微鏡検査陽性であり確定診断しました。
手白癬は片手のみに生じることが多く、特に利き手と反対側が
多いとされていますが、本症例では利き手側でした。
治療は、手は外用薬がすぐ取れてしまうこともあり、僕は、角化
型白癬に準じて、最低でも2ヶ月間のテルビナフィン内服として
います。
もう少しマニアックに突っ込むと、指間型の白癬は手においては
まれであり、逆に指間のびらんで鏡検陽性の場合は、カンジダ症
のことが殆どであり(実際は鏡検で仮性菌糸が見つければ白癬菌
との鑑別は容易)、その場合はテルビナフィンの効果は低く
むしろアゾール系あるいはモルホリン系抗真菌薬の外用で十分
効果的です。