シダトレンについては、鳥居薬品の以下のページに詳しく書かれています↓

http://www.torii.co.jp/release/2014/140902.html

簡単に言うと、スギ花粉の成分の舌下への投与を少量から開始し、徐々に増量していくことで、

スギ花粉に対して体を慣らしていくことにより、アレルギー症状を減らしていこう、という

コンセプトとなります。つまり、スギ花粉症に対する根治的な治療となり得ます。

実際に、3年程度の長期投与により、30%程度の方が寛解状態(症状が軽快)、40%程度の方が

症状の改善に至ったようです。

しかし、問題点もあります。

・無効例があること→有効か無効かの予測因子がありません。

・長期投与が必要なこと→2年程度以上の投与が推奨されています。

・即効性がないこと→2,3ヶ月程度では臨床的効果は得られないため、例えば、今月から投与を開始

しても、来春のスギ花粉症の時期にはまだ変化が出ません。再来春のスギ花粉症の時期に、効果を

実感することとなります。

・寛解状態に至っても、中止すると数年後にアレルギー症状が再燃する可能性もあること

→やめ時が難しい。

・新薬のため、発売されてから1年間の間は、2週間処方しかできない→長期投与が必要な薬であり、

最初の1年間は2週間おきに通院する必要があります。

つまり、この治療を開始したからといって、今までの不快なスギ花粉症状が、即座に嘘みたいに

消失する、というものではなく、根気強く治療して症状を楽にする治療、ととらえた方がいいでしょう。

私見ですが、スギ花粉症のシーズンに従来の投薬で十分にコントロールがついている方は、

通院頻度などを考えると、シダトレン治療は続けにくいかもしれません。

従来の治療で効果不十分、ないしは薬の副作用(内服薬の眠気など)で治療継続困難であった方

が、従来の治療ないしはもっと軽い治療(点鼻や点眼など)で効果を得られやすくするために、

シダトレン治療を開始する、というようにとらえてもらうのがいいのかなと思います。