こんにちは
院長の櫻井です
今日は、先日当院を紹介受診された患者さんのお話です。
もともと糖尿病があり、最初はHbA1c9%台でしたが、最近は6%台とまずまずのコントロールであった
とのことでした。足の胼胝(タコ)が痛くなってきたようですが放置していて、糖尿病で内科を受診した際に
内科の主治医に申し出たところ、皮膚科を受診するように言われて当院を受診されました。
初診時に、左1趾腹に胼胝があり、その下に潰瘍形成をしており、悪臭を伴っていました。
その近傍に痂皮があり、それをはがすと、やはり潰瘍形成しており、胼胝下潰瘍と交通していました。
足背動脈は触知可能であり、ブロック麻酔下にポケット部を切開して創部を展開したところ、皮下に
かなり潰瘍は広がっており、amputation(切断)も検討すべきと考え、総合病院を紹介したところ、
左1趾切断となりました。
糖尿病の足病変の恐ろしいところは、
・神経障害があると痛みを感じないため、気づいた時には相当広がってしまっていることがある
・現在の糖尿病のコントロールがよくても、それまでの長い経過で血管がボロボロになっていて、
進行が速く治療に反応しにくくなっている
という点です。
したがって、糖尿病がある方は、足の病気(タコ・ウオノメ・水虫・巻き爪などなど)がある場合は、
ごく早期のうちに対応すべきであり、進行してしまった場合は非常に予後が厳しくなることを
本人のみならず周囲の方にも認識していただき、症状が軽いうちに受診するよう心掛けて
いただきたいものです。