今日は脂肪腫の切除2件3か所と皮下腫瘍切除1件がありました。
脂肪腫は多発することもよくありますが、発生部位によって
手術の手間がかなり変わってきます。一般的には、体の前面のもの
は小切開でpop out(もみしだくと飛び出てくる)できるのに対し、
体の背面のものはそうはいかず長い切開が必要となることが多い
です。
本日の症例より。
左大腿伸側(体の前面ですね)の脂肪腫2か所切除↓
小さい切開から、切開線より大きい脂肪腫がぷにっと飛び出てきてます。
このタイプですと、切開から縫合まで含めて1か所数分程度で終わります。
背部(体の後面ですね)の4cm大の脂肪腫切除↓
長い切開から筋膜直上で腫瘍を剥離して摘出しました。筋膜に癒着
しているのでpop outは当然しません。特に今回の脂肪腫はやや大きめ
くらいのサイズでしたので、切開から縫合まで含めて20分強は要しました。
脂肪腫の手術は場所によって結構手間が違います。
それでは、体の前面と後面の中間部(例えば側腹部とか)はどうするのか?
もちろん術前のエコーで筋層直上にあるようであれば、筋膜と癒着している
と考えられるので最初から長い切開で行きますが、そうでなければ、小切開
から試みて、無理そうであれば長い切開に切り替えます。