先日の症例より。
40代、男性のCoccygeal padです。
Coccygeal padとは一言で言えば仙骨・尾骨部の胼胝(タコ)のようなものです。
自転車のサドルで擦れてなりやすい、と言われていますが自転車に乗って
いなくてもできる方もいます。尾骨が突出していてできる、と書いてある
文献もありますが、自験例では術前にMRIを撮影しましたが特記すべき
所見はありませんでした。要は、皮下脂肪の乏しい部位に慢性的に負荷が
加わることにより、過角化したもの、ととらえれば理解しやすく、そういう意味
では足のタコと一緒です。(尾骨が突出していれば皮下組織が菲薄化して
より負荷の影響を受けやすいが、尾骨が突出していなくても生理的に皮下組織
が乏しい。)
この患者さんは、この部位に擦れて傷ができやすいので、何とかならないか、
と受診されました。
それで切除することとしました。この治療では、切除した後も再発を予防すること
が大切ですから、筋層直上で剥離した十分な皮下脂肪を含んだDufourmentel Flap
で再建することとしました。
↑デザイン
↑切除検体
↑術直後
↑2週間目の抜糸直後の所見です。皮弁は100%生着しました。
血流の良いDufourmentel Flapは非常に有用で、僕はNote Flapと並んで、
よく用います。