こんにちは
院長の櫻井です
最近、伝染性紅斑(リンゴ病)が多いですね。
昨日だけでも4名も受診されました。
伝染性紅斑は、パルボウイルスB19による感染症で、小児の場合は、感冒症状(ほとんど無症状
のこともあり)の1-2週間後に、特徴的な発疹が出現します。発疹が出現した時には、感染力が消失
しているため、学校・幼稚園などの出席には全く制限は必要ありません。
成人が感染した場合には、小児の場合と異なり、顔の平手打ち様紅斑はあまり目立たず、むしろ、
四肢の網目状紅斑が主体で、浮腫や関節痛が強いのが特徴的で、Schonlein-Henoch紫斑病、
ITPなどの原因ともなりうること、SLEとの関連性なども示唆されるなど、なかなか厄介な問題とも
なり得ますし、妊娠中に感染すると、胎児水腫を来たし、流産・死産の原因ともなり得ます。
それ故、成人例においては、確定診断をつけるために血液検査(パルボウイルスB19-IgM抗体)を
必要とすることもあるのですが、保険診療上は、妊婦の伝染性紅斑のみにしか抗体測定を
認められておらず、大きな問題であると思います。
本来は小児の感染症が、成人が罹患すると大変であるのは、水痘・麻疹・風疹・手足口病など
にも共通します。
そのため、特に、これらの疾患の既往歴がない、あるいは確認できない成人においては、
注意が必要です。